公開日: 最終更新日:2018/10/15

株式会社ブリリアントサービス 代表取締役 杉本礼彦氏インタビュー【Vol.2】

 ~可視光通信は黎明期だからこそおもしろい~

 モバイルデバイスのさまざまな応用技術の開発で、常に業界をリードする株式会社ブリリアントサービスの代表取締役、杉本礼彦氏。Vol.1では、エンターテインメント分野における可視光通信の可能性についてお話いただきました。今回は、開発サイドの視点からお話を伺います。(3回シリーズ) 20101201144503-1

 2020年の東京オリンピックに可視光通信は?

可視光通信の可能性が広がりそうなシーンは、エンターテインメントでもいくつか思い浮かびますし、いろいろ想像できておもしろいですね。まだ黎明期ですから、実証実験すると盛り上がってきそうな気がします。 ウエアラブルの時代が来たら、もっといいですね。ウエアラブルカメラで認識できますから、いちいちスマホのカメラをかざさなくてよくなりますし、パスワード入力して無線LANにつなぐようなことも不要になりますしね。バッテリーの問題はありますが、仮に一日持つとしたら、ウエアラブルカメラをONにすることで、ARよりも動的に変えられる、可視光通信だともっとプッシュ配信できそうな感じはしますね。 2020年の東京オリンピックまでには、看板は普通に光ってるんだけど、ウエラブルでそれをみると看板の絵や画像認識を時間帯によって変える、なんてことをやっていてもおかしくない。ARは看板の中身のデータを変えないとダメなんですが、看板のロゴは24時間そのままに、でもどこか一部が光ることによって、違う情報が手に入るといった使い方ができるのではないでしょうか。

 可視光通信アプリの可能性

 可視光通信アプリについては、双方向はまだ想像できませんが、片方向に対しては結構ありそうです。いちばんやりやすいのは、1対Nのサービスではないかと感じています。 ただ、その前提として、エンジニアにとって可視光通信が魅力的に映るかどうかが大事です。可視光通信ってクールだよね、って技術者にどう思わせるのかが重要。今や、巨大企業が巨額の資金を投じてサービスを作る時代は終わっていて、市井のエンジニア、会社にも通っていない人たちが、インターネットを利用して商品やサービスを作る時代になっています。 大企業が頑張らなくても、インターネットに常につながっている世界の中では、市井の草の根エンジニアがパッと作ったアプリが、いきなり全世界に配信されちゃう。彼らが可視光通信っておもしろいよね、って思うには、可視光の可能性のどういう側面を伝えていけばよいのか、そこが大事な気がします。スマホなのかウエアラブルになるのかはわかりませんが、みんなが生活の中で常に依存しているコンピュータとの関連性は、押さえておきたいところです。 アプリについても、5年後の受け側はスマホじゃない可能性がありますから、スマホありきで考える必要はありません。「見える光で通信できる」ことで、誰にどんなメリットが供与できるのか、という点から見ていくと、きっとおもしろいものが生まれてくるのではないでしょうか。   次回 Vol.3 は、将来的に可視光通信の受光側のデバイスとして考えられる、ウエアラブルコンピューターの今後について、お話を伺います。

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