公開日: 最終更新日:2018/10/15

位置情報と行動分析、可視光通信の役割は?

可視光通信の使い方のひとつに位置情報サービスがあります。GPSや電波での位置検索精度に比べて大変精度が高く、ミリメートル単位まで実現できるメリットがあると考えられています。

位置情報がわかると可能になることとは

現在は、位置情報(場所がわかること)で可能なサービスがいろいろと提案されています。例えばスマートフォンを所持することで固有のIDを持ちGPSやWi-fiと連動することで居場所が特定できます。そして、この機能と地図情報を連動することで目的地に容易に行くことができたり、店の周辺に来た時にクーポンが送られてきたりします。これらは、既に身近なサービスとなり便利に使われています。

また、位置情報利用して渋滞の解消や観光地の案内サービス、商店街が活性化するための手段などに使おうとする話も聞くようになりました。これらは、位置情報で得られたデータを使って行動分析を行うことで可能になるのです。 さらに、位置情報のデータに行動分析データを加えることで得られた情報は農水産業や介護支援、工場の作業効率改善や不具合のトレースによる原因究明や再発防止、工事現場や災害現場に携わる人たちの行動管理や再発防止などの利用に考えられています。

これらの情報を発信する物はスマートフォンやICタグ、ウェアラブルなどのセンサーと通信機能の付いたデバイスです。これらのデバイスは人間に装着するだけでなく物やロボットにも付けられるようになるでしょう。これがIoTの1つの利用方法です。

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 可視光通信で行うと使い方に幅が広がる

可視光通信は、電波通信に比べて誤差が少ないと言われています。GPSの場合は衛星から電波を発信して地球上で受信します。宇宙から地球上まで電波が到達する間には特性を変化させる障害が多数あります。また、電波は屋内や地下、ビルの谷間や水中などは届きません。それらの誤差や計測不能な位置情報はジャイロセンサーやソフトウェアを加えて補正しているのです。

電波ビーコンでの位置情報の場合は、電波に指向性を持たせることが難しいので、特定のエリアに入った人に対して情報を発信することは得意ですが入退出管理など正確な位置の特定には問題が残ります。 これに対して、可視光通信は見える光にかざすので受信する位置は正確です。屋内や地下ではLED照明などの発信装置を設置して発信拠点を設ければ、それに対して受信することで正確な位置情報の取得が可能です。

また、水中は光を通すので通信が可能なのです。現段階では1秒間に送る情報容量は電波の方が可視光通信に比べて勝っています。したがって使う用途や使う場所によって電波と可視光通信を使い分けることが必要だと思います。

電波での通信が可能なところでは電波で行い、可視光通信でしか通信が可能でないところでは可視光通信で行うのが理想でしょう。

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 位置情報による行動分析で世の中は変わる

世の中に多種多様なセンサーや通信機能を搭載したデバイスが増えることによってIoTの世界が広がると言われています。 そのポイントとなるのはデバイスから送られるビッグデータです。これらのビッグデータはクラウドサーバーや使い方によってオンプレイスサーバーにデータを残す機能を兼ね備えたハイブリッドサーバーに蓄積されています。そして蓄積されたビッグデータを使って必要な情報を生成し目的に応じた情報提供を行うのです。

しかし、今まではビッグデータを使って必要な情報を生成することはスーパーコンピュターでしか行えず資金のある企業しか活用できませんでしたが、これからは誰でも安価に必要な情報が入手できるクラウドサービスが次々に登場しています。

位置情報や行動分析は、良い使い方をすれば世の中が良くなりますし悪い使い方をすればきりがありません。例えば、どこの位置にいる人間がどういう行動パターンを行ったときに事故が起こるのかなどのデータから事故の再発防止のツールになります。そして、これらは工場の作業現場だけでなく自然災害に対しての防災や介護支援などにも役立ちます。世の中が住みやすくなるツールとしてこの位置情報を行動分析を利用したアプリケーションがたくさん出てくることを期待したいものです。

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(参考文献;可視光通信 春山真一郎著 http://www.jana.or.jp/denko/data/24_3_1.pdf

※この記事は2015年1月30日の記事に加筆し、更新したものです

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