LED JAPAN 2016レポート

公開日:  最終更新日:2016/11/15

モノとモノをインターネットでつなぐ”IoT” が加速度的に進む中で、不可欠な要素として注目が集まる通信技術の「光技術」。その光技術の総合プラットホームを標榜する「All about Photonics2016」が、2016.9.14(水)−9.16(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。最新の光技術が「InterOpto」「BioOpto Japan」「LaserTech」「LED JAPAN」4つの切り口で披露され、出店ブースではアプリケーション開発に携わる設計者向けのプレゼンテーションが積極的に展開されていました。カシケンでは、「LED JAPAN 2016」に出展された可視光通信技術について、レポートします。

LED JAPAN 2016

LED照明を用いた次世代通信インフラへの期待

次世代通信セミナー「可視光通信による通信インフラ構築」では、ライトマイルズ社代表取締役の豊耕一郎氏が登壇。無料Wi-Fiの整備や電子政府によるペーパレス化など、国策として積極的にデジタル化を進めるエストニアで、照明と通信をセットにしたLED街灯による通信インフラを開発し、実証実験を進めながら世界市場への導入を進めようとしているベンチャー企業の代表です。東京オリンピックが開催される2020年には、携帯のパケット通信量が現在の1000倍になると予想される中、帯域不足が深刻化される無線通信を補う通信として、帯域を気にする必要のない可視光通信が実用化されることを目指して活動されています。

ライトマイルズ 豊社長講演

セミナーでは、「SVLC(Super Visible Light Communication)」という概念を打ち出し、光ファイバー不要の光通信技術が、夢ではなくなっていることを強調されました。エストニアや新興国、そして日本国内での実証実験から、

・通信の高速安定性

・設置の容易さ

・「送信」「受信」「Wi-Fi変換」の3ユニットの組み合わせでメンテナンスも容易

・LEDで省エネ、長持ち

・ランニングコストも含め、システム構築を低コストで実現

・電波法の規制を受けない

・景観に配慮できる

といったSVLCのメリットを挙げており、景観を大切にするヨーロッパにも需要はあるとして、ワールドワイドでのマーケットにも期待を寄せているそうです。

SVLC

SVLC LED

街の灯りを利用した通信インフラ実現のために、年度内にはモジュールを提供するライセンスビジネスを展開できたらと、セミナー参加の各社にアライアンスの構築を呼びかけました。

SVLCへの興味でライトマイルズブースは大賑わい

ライトマイルズブース1

ライトマイルズブース2

ライトマイルズ社のブースでは、実際に、LED通信ユニットを用いたデモンストレーションが行われていました。ライトマイルズ社は、屋外で最大2Gbpsの通信速度で400m通信可能なシステムと説明しており、8K画像を可視光通信によって伝送し、ディスプレイに映し出す様子を見せてくれました。

Wi-Fiとの比較では、展示会場内のWi-Fiはいろいろなところで電波を取り合っている状態もあり、伝送がスムーズでなかったり途切れたりするなど不安定なところがありましたが、可視光通信システムではその揺らぎがなく、大容量通信に対しても十分に対応できることをプレゼンテーションしていました。ユニットそのものもとても小型化されており、実用化への期待が高まるものでした。

Luciが提案する間接照明空間での可視光通信

今回のLED JAPANでは、狭小スペース向けLED照明器具の専門メーカーLuci(株式会社ルーチ)が、間接照明空間における可視光通信を提案していました。

株式会社ルーチブース

Luci可視光通信

LuciのLED照明は、曲げて形状を変えられるのが特長で、アパレルなどの物販や、ホテル、飲食店などでの間接照明や、工場、病院などへの納入実績があります。LED JAPANでは、このLED照明に、点滅信号を送るユニットを組み込むことで、可視光通信を可能にする技術を発表していました。

Luci可視光通信シーン

スマホやタブレットに専用アプリを入れて、付属カメラで情報を受けとる方式で、比較的容易にシステムを導入できる点を強調していました。現在、バス停のLED照明を利用して、路線図やバスの走行位置を配信するサービスや、商業施設やホテルが避難用LED照明から避難経路図を配信するなど、具体的なサービスを想定したシステム開発を提案しているそうです。

昨年度に比べると、展示はややさびしいものがありましたが、すでに可視光通信は製品化の段階に入っており、今後、LED看板などの照明を見たら、スマホをかざして何らかの情報を受け取るという行為が当たり前の時代になるのも目前のように思えます。今は、それぞれの企業が提供するサービスには専用のアプリが必要ですが、たとえば観光情報、交通情報など、公共性が高いサービスに関しては、デフォルトで利用できるような仕組みが出てくることを、利用者の立場としては望みたいところです。

 

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