公開日: 最終更新日:2018/10/15

光について~可視光通信・IoT旬なワード~

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私たちが暮らす地球には光があふれています。もし、光がなければ色とりどりの美しい風景を見ることはできません。では、光とは何なのでしょうか?

地球上の光の素となっているのは太陽です。太陽自体、光を放っているので私たちは太陽を見ることができます。では、光を放たないものが見えるのは、なぜなのでしょう?

実は私たちが見ているものは物体が反射している光の色なのです。例えば緑の木の葉、太陽の光を受けると緑色の光だけを反射するので緑色に見えるのです。「えっ、緑色の光?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は太陽の光の色はさまざまな色からできているのです。

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雨上がりに現れる虹がその証拠のひとつです。虹は太陽の光の色がさまざまな色に分かれて見えている状態なのです。

虹が見える時、空にはたくさんの水の粒が漂っています。その水の粒に太陽の光が当たると水滴で光が屈折します。色によって曲がり方が違うので色が分かれて見えるのです。プリズムも虹と同じ仕組みで光の色が分かれます。これをスペクトルといいます。私たちは虹を通して分かれた光の色を見ているのです。

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ではなぜ様々な光の色があるのでしょうか?

実は光は波の性質を持っています。水に石を投げると生じる波紋は水面に山と谷が交互にできて波が広がります。光にも同じような性質があるのです。

波の山から山までの長さを波長と呼びます。光の色の違いとは、この波長の違いなのです。波長が長くなると赤に近くなり波長が短くなると紫に近付きます。私たちの目に見えるのはこの範囲でありこれが可視光です。そして、この可視光の範囲の外側である赤の外側には赤外線、紫の外側には紫外線がありますが私たちの目には見えません。しかし、人の目に見えなくてもこれらもまた光なのです。

こうした様々な光の波は広大な宇宙からも飛んできます。そして、様々な見えない光の波は地球に届いています。

見えない光の波とはどんな波なのでしょうか?人間の目に見える可視光は波長としておよそ380nmから760nmまでと言われています。この間に紫から赤までの色が連なっています。赤い光の外側では波長が長くなり赤外線となり、さらにその先は電波となります。逆に波長が短くなるのは紫の光の外側で紫外線となり、さらに短くなるとX線やγ線となります。私たちに見えない紫外線も実は昆虫には見えています。可視光と紫外線で見た花を比べると昆虫が私たちと全く違う世界を見ていることがわかります。

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波長の長い赤外線ではどんな世界が見えるのでしょうか?通常のカメラと赤外線を使ったカメラで実験をしてみました。

まず、メガネです。可視光はガラスを通過するので透明ですが、赤外線はガラスを通過しないのでサングラスのように黒く見えます。同じ陶器の湯飲みに入った氷水とお湯を比べると赤外線では氷水は黒く、お湯は白く見えます。温度が高いもの程、白く明るく見えるのです。胸に手を当てて離してみます。赤外線では手の形が残ります。手の温度が胸に伝わり温度が高くなったからです。半導体に使われるシリコンウエハー、可視光では光が通りませんが赤外線では通すので透けて見えるのです。

宇宙にはこのような見えない光がたくさん飛んでいます。星や銀河も赤外線や紫外線などを放ち、それらの光はエネルギーを持っています。天体観測の最前線では見えない光をとらえて宇宙の謎に迫ろうとしています。

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また、エネルギーの高いX線やγ線は物を通り抜ける力が大きいためレントゲンやCTなど医療分野でもよく使われています。光は世界を照らすだけでなくエネルギーを伝えるという大切な役割もあるのです。そして、その光は通信の世界にまで入ってきました。それが可視光通信なのです。

※この記事は2015年3月3日の記事に加筆し、更新したものです

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