5Gの盲点を解決する鍵は可視光通信にあり?

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2019年秋にもスタートする5G。昨今はファーウェイ絡みのニュースなど、日々話題に事欠きません。5G時代の幕開けが目前の今、“5Gの盲点”を「光技術」で克服!という何ともそそられるテーマの技術セミナーが開催されました。ファーウェイとクアルコム、中国と米国、先行者メリットを期待する韓国・・・。チップから国家競争にまで至るこの5Gとは一体何者なのか? セミナーのお題通り“盲点”はあるか? そして盲点を克服する光技術とは? 可視光通信技術ももちろん光技術です。カシケン編集部としては見逃せないセミナーに、参加してきました。

電波利用のワイヤレス通信が抱える課題

“5Gの盲点”とは、すなわち電波を利用するワイヤレス通信が抱える課題です。ワイヤレス通信の課題は、カシケンでも取り上げていますが、

●電波による無線通信が法的に禁止されている場所、電波の干渉を嫌うエリアで使えない

●基地局間の伝送ロスや遅延の問題

があげられます。

こうした課題を克服する技術として、可視光通信と最新の光ファイバー無線技術が紹介されました。登壇したのはカシケンでもおなじみの三技協、カシオ計算機、そして国の研究機関であるNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)の2社1機構です。有料セミナーにも関わらず、42社から参加者が集い熱心に耳を傾けていました。参加企業は要素開発メーカーからシステムインテグレータまで、多岐にわたっていたことも印象的です。

三技協は、カシケンもたびたびご紹介しているLED Backhaulについて。100メートル程度の距離なら500Mbpsの高速通信が可能な、P2P型の光通信技術で、新たなバックホール回線としての活用を提案しました。

カシオ計算機は、最近さらに進化したPicalicoによる動体の屋内測位の提案です。LEDの3色(赤・青・緑)の変化をカメラで読み取ることで、100万通りのデータ通信を可能にする近距離向け可視光通信は、工場内など電波を嫌う場所で、LEDの発行職の変化により多彩な情報を伝達することができます。

いずれもカシケンでご紹介した情報でもあり、詳細は割愛させていただくとして、今回は、NICTの“5G/Beyond5Gの超高速・超低遅延通信を支える「光ファイバー無線」の最新動向と応用最前線”、と題された講演を興味深く聴きました。

高速・低遅延がウリの光ファイバー無線

光ファイバー無線は、電気信号を光信号に変換する従来の「光ファイバー通信」とは別物です。電波の波形を光の波形に変換して送信する技術で、これにより伝送ロスや遅延を大幅に削減することが可能です。NICTが昨年から今年初めにかけて行った実証実験では、90GHz帯のミリ波によるスモールセルを光ファイバー無線で連結し1.5Gbpsのデータ伝送に成功したとのこと。

ここで、可視光通信と光ファイバー無線。混乱しないように、それぞれが担う役割どころを整理しておきましょう。簡単にいうと、可視光通信とは、空帯域を可視光線で無線通信すること。一方の光ファイバー無線は、電波無線と電波無線の間の「電波の届かないところ(不感知対策と称している)」を光ファイバーでつなぐものです。

5Gまでは28GHzからはじまるミリ波で10Gbpsを実現するのが主流ですが、5Gの先のBeyond5G(将来的に「6G(?)」と称するかもしれませんが・・・)は、100Gbpsの実現には周波数をさらに上げなくてはならないため、THz帯の通信が必要になるといいます。

講演では、距離の短い室内での100GHz通信は、電波周波数の1,000倍のスピードといわれる光を使った「可視光通信」の利用を強調していたこと、また、それに対応する可視光通信技術の進化を期待している、との発言がとても印象に残りました。

近い将来、私たちが今まで経験できなかったほどの情報量を、従来ストレスと感じていた遅延をほとんど気にすることなく体験できる世界=5G時代がやってきます。そして可視光通信はその一役を担うと期待されています。1Gbpsにも到達しないスピード技術の進化や、利用用途の模索をしている場合ではなく、将来に向けて進化しなければいけないはず。今回のセミナーを通じて、可視光通信を活かした5G時代の新技術が生まれることを、切に期待します。

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