テクノロジー×コンテンツ×可視光通信の未来を語る 株式会社ジョリーグッド 代表取締役 上路 健介氏インタビュー【Vol.1】 

公開日:  最終更新日:2016/04/29

株式会社ジョリーグッドは、最先端のテクノロジーと一般消費者とを「エンターテイメントでつなぐ」会社です。「テクノロジーは、それを必要とする人に使われて、初めて価値がある」そう言い切る、代表取締役の上路健介(じょうじけんすけ)氏は、もともとテレビ局の技術者として、番組制作に深くかかわっていた経歴の持ち主。せっかく開発された素晴らしい技術も活用してもらわなくては意味がない、そこに介在するのはコンテンツであり、しかもとびきりおもしろくて、自ら体験したくなるようなエンターテイメント性が不可欠だとおっしゃいます。今回は上路社長に、ウェアラブルをはじめとする新しいデバイスの出現と、今はまだ黎明期である可視光通信の可能性についてお話を伺いました。(3回シリーズ) JG_Logo_v10

技術者として、テレビマンとして

僕はもともとテレビ局出身の技術者です。テレビ局の現場にいながら、博報堂の事業開発チームでリーダーを務め、マスメディアと先端技術を掛け合わせた新サービスを開発、提供してきました。可視光通信もそうですが、新しい技術が出てくる時、マスメディアの人間は情報には敏感に反応しますが、実は技術的なことにはかなり疎いんです。 基本的に一般層に向けて発信するのがマスメディアの仕事なので、一般の方が興味を持つこと、受け止めやすいことをコンテンツにします。わかりづらいことをわかりやすくすることに腐心するわけです。 最先端技術を開発する人たちと、マスメディアやコンシューマの間には、歴然たる温度差というか溝があります。僕は技術側もコンテンツ制作側も双方ともわかるので、テレビ番組などのコンテンツに、放送技術やIT、センサーテクノロジーを掛け合わせて、「先端技術を楽しく見せるエンターテイメント」を提案し、両者の溝を埋める策をやっています。 たとえば、ブラタモリという人気番組がありますが、タモリさんが歩いた場所を追体験できるスマホアプリがあります。位置情報と動画を連動させるなど、モバイル端末で活用できる最先端技術と、番組コンテンツを掛け合わせ、一般の人がリアルブラタモリを楽しめます。この位置情報連動サービスは、NHK大河ドラマ「龍馬伝」をモチーフにしたiPhone/iPad向けの電子書籍アプリにも採用されました。坂本龍馬ゆかりの地と番組動画を連動させて、新しい旅の形を提案したんです。 ハイテクを、「わくわくと楽しんで参加したくなるエンターテイメント」に落とし込むことで、技術者もアプリ開発者もコンシューマも嬉しい。そのうえ地方産業の活性化にも寄与できる。僕はここに大きな可能性を感じています。 IMG_0177

テクノロジー普及のために必要なステップとマネタイズの課題

新しいテクノロジーが世に知られて、コンシューマに受け入れられて普及するには、ステップがあります。一気にジャンプしないんですね。モデル実証や段階を踏んだ施策を通じてだんだん理解が深まっていきます。どんなテクノロジーも、利用されるにはコンテンツが必要ですし、コンテンツ側もテクノロジーとのコラボは必須です。 メーカーはいろいろなテクノロジーデバイスを開発します。スペックや機能がすごいのはわかります。でも、「じゃあ何が楽しいの?」というところで止まってしまう。直観的なおもしろさ、子どもでもわかるおもしろさがなかなか形にできないのが、テクノロジー企業の課題でしょう。 ソフトを作る側もお金にならないといけない。マネタイズできるプラットフォームを用意し、循環させる必要があります。開発者のコミュニティやクリエイター、ソフト会社、イベントなど異業種を連携し、ここをハブにしてテクノロジーとコンテンツとコンシューマをつなげようとしていますが、マネタイズの仕組みをテクノロジー企業の方に理解してもらうことも、僕らの役割の一つだと思っています。 IMG_0187

的を一つに絞る

コンシューマは、「おもしろい!」「かわいい」「カッコいい」「これがないとダメ」と、自分自身が感じなければ動きません。しかし開発側は、「あれもこれもできますよ」というアプローチで発信しがちです。ここにギャップが生まれます。 的を一つに絞るのがとても重要なのですが、これがなかなかできない。開発側としては、ポテンシャル的に大きなものに見せておかないと、ビジネスが通らないからです。大企業であればある程、大きな風呂敷を広げてしまいます。 ウェアラブルでは、よく、ライフスタイルとかライフログという言葉がセットで使われますが、これもNGワードです。ライフスタイルって言ったら、生活におけるありとあらゆることが関係しますから、コンシューマから見れば「はて、何でしょう?」です。 モデル実証はこれを一つに絞って、実体験を重ねていくことで可能性を広げる、段階的なやり方です。たとえば、「ゴルフに使えます」など「その目的のためのものですよ」と決めちゃう。ゴルフでスタートしてから、実はこっちにも使えるんだよね、っていう展開をしていけばいいんです。 スマートウォッチにしても、スマホが小さくなったということでは今一つ必要性や意味を感じないですよね。先日、NTTdocomoが「見守りウォッチ」を出して話題になりましたが、「子どもを見守るためだけのスマートウォッチ」ならば、保護者にとっては一気に自分事です。わかりやすい。 こうした戦略を立てることで、せっかくのテクノロジーを埋もれさせることなく、必要な人のために活用できるようになり、ハードもソフトも売れてコンシューマも満足する、という流れになります。可視光通信はまだ黎明期ですから、こうしたアプローチを考えてみるといいと思いますね。 IMG_0181 次回は、いよいよ可視光通信の可能性について伺います。

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