光の中に人には見えないように情報を…富士通研のアプローチに見る可視光通信技術  株式会社富士通研究所 インタビュー【Vol.3】

公開日:  最終更新日:2016/04/29

すでに実用化されている可視光での情報送信技術を開発し、さらなる可能性に向けて研究を進めている、株式会社富士通研究所。インタビューの最終回は、2020年の東京オリンピックも視野に入れて、これから活用されるであろう可視光通信技術の展望についてお話いただきます。 IMG_1843

デバイスを選ばない可視光通信

私たちの技術は、もともとが映像に「人の目に見えないように情報を埋め込む」ところから始まっています。イメージセンサーを利用した可視光通信技術と違うところは、色が使えるのであればデバイスを選ばないことです。 たとえばLED照明を使って情報を送ることもできますし、プロジェクターからの光でもOK。プロジェクターの中に映像を一緒に入れて、プロジェクションマッピングのようにして情報を取ることもできます。テレビでもPCの画面でもコンビニのレジに付いている液晶ディスプレイでもいいんです。 LEDの照明自体は色が変わるタイプのものが必要ですが、TVなどの液晶ディスプレイやプロジェクターは今ある設備をそのまま使えます。コンテンツの作り方だけ私たちの技術を使えば良いので、適用範囲は広いし、既存の設備をそのまま使えるメリットは非常に大きいと思います。 世界遺産やオリンピック効果で、これから観光客が増えることを想定すれば、外国からのお客様には観光情報を自国の言葉で表示するとか、お城など歴史的建造物へのライトアップやプロジェクションマッピングに適用するなど、アイディア次第でさまざまな活用法が考えられます。 図Vol.3

「電子透かし」も可視光通信

これから2020年に向けてパブリックビューイング用に大きなスクリーンも増えてくるでしょう。こうした大型のスクリーンでも、表示するコンテンツを細工することで、大勢の方に情報を受け取っていただけるようになります。 たとえば、スポーツゲームをパブリックビューイングでライブ中継する場合。もともとの中継素材を弊社の技術を使ってリアルタイムに加工して付加情報を出す、あるいは放送する前に放送局の方で情報を入れることが可能です。番組が認識できるIDが画面から出ていれば、それをスマホでキャッチした時に、たとえば選手の紹介情報や別会場での試合経過情報を流す、といった仕掛けを、サーバー側でセットできるわけです。情報はサーバー側で書き換えればよいので、必要な人が必要なタイミングで受け取るやり方もできますし、大勢が一斉に同じ情報を受け取るといった使い方もできます。 映像、画像の世界では「電子透かし技術」という呼び方がありますが、もともとが実際には目に見えないように情報を埋め込み、伝達することから開発が進みました。解釈の仕方によっては「可視光に情報入れて伝達しています」と言うこともできますから、「透かし」も広義の解釈をすれば可視光通信の一部に入るかもしれません。 複数の情報を別々に、しかも同時に提供できる、映像と一緒に出して問題なく使えるなど、いろいろなメリットはあります。光であろうが液晶ディスプレイであろうが、1秒のうちに30回、色がわずかに変えられるものであれば、すぐに応用が利く技術です。その光にコンテンツを仕込んで、スマホを受信機として情報を受け取るという、シンプルで使いやすい技術ですから、カシケンを通じてアイディアを出してくださる企業とアライアンスを組むなどして、ワクワクするような使い方に応用していけたら嬉しいですね。(田中氏・武氏 談) IMG_18352020年に向けて、国家レベルでICTインフラの整備や公的な設備の建築が進みます。すべてのモノにIDがふれる適用範囲の広い富士通方式の可視光通信は、IoEの観点からも用途が広がるだろうと期待されます。研究開発はさらに先を見据えられていて、 今後も次々と可視光通信の利用用途が広がる新しい技術が発表されそうです。 わかりやすいご説明で丁寧に解説してくださった田中様、資料をご準備いただいた倉木様、そしてインタビューの場をアレンジしてくださった武様、貴重なお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。  

株式会社富士通研究所 インタビューVol.1 

株式会社富士通研究所 インタビューVol.2

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