テクノロジー×コンテンツ×可視光通信の未来を語る 株式会社ジョリーグッド 代表取締役 上路 健介氏インタビュー【Vol.3】
最先端のテクノロジーと一般消費者とを「エンターテインメントでつなぐ」ことを使命とする株式会社ジョリーグッド。代表取締役の上路健介(じょうじけんすけ)氏は、米国メディア企業らとの事業開発にも力を入れられています。インタビューシリーズ最終回は、上路社長が総合ディレクターを務める、米国発の国際カンファレンス「Wearable Tech Expo in Tokyo」についてのお話と、可視光通信に期待されることについて伺いました。
WEARABLE TECH EXPO IN TOKYO 2015
Wearable Tech Expoは、ウェアラブル・テクノロジーに加え、IoT(Internet of Things)やVR(Virtual Reality)にまでテーマを拡大し、「先端テクノロジー×コンテンツとマネタイズの可能性」を追求するカンファレンスでです。 国内はもちろん、海外から関連業界のキープレーヤーが、スマートグラスやスマートウォッチ、アクセサリ型のデバイスをはじめ、ファッション、ヘルスケア、フィットネス、自動車、メディア、エンターテインメントなどの視点から、そこから生まれる文化やコンテンツ、そしてビジネスの可能性をポジティブに探っていくイベントです。 ウェアラブル業界も、強力なコンテンツを生み出すためにアライアンスを意識しないといけないし、コンテンツ側のメリットをちゃんと考えないといけません。実際のところ、まだハード側のメリットが先行していると思います。この状態を続けていては、ビジネスモデルとしてはまわりません。コンテンツを生む側のメリット、コンシューマ側のメリットをそれぞれ描かなくちゃいけない。マネタイズできるプラットフォーム作りが重要です。 それには、デバイスを提供する人だけで集まっていてもしょうがないわけで、どんどん異業種の人と交わっていかないといけなと思います。僕は先日、ファッション業界のカンファレンスで講演しました。そのくらいの異業種のアライアンス、コラボでないと見えてこないものがあります。Wearable Tech Expoはそのための場でもあり、仕組み作りという役割を果たしていくと思っています。
ウェアラブルは今
ウェアラブルの最新情報としては、AppleのスマートウォッチApple Watchの発売が、2015年春に控えています。また、Microsoftが満を持して発表した、ホログラムによるARが特徴的なスマートグラス「HoloLens」があります。これらがどれだけ市場を活性化できるかには、注目していきたいです。 また、今年、ウェアラブルはファッション業界とのコラボレーションが本格化します。機能面だけでなく、オシャレで可愛いから身に着けたい、という興味喚起からも、ウェアラブルデバイスが普及する可能性は大きくなると思います。
2020年東京オリンピックに向けて
ファッションというフィールドで、ウェアラブルはデバイスの域を超えて、繊維そのものがセンサーになっている洋服にまで進化を遂げるでしょう。そうなると、機器を身につけている、という認識をさほど気にしなくても、身体のさまざまなデータが取れるようになります。選手のパフォーマンスを高めるために、どのようにウェアラブルを活用できるか、企業のビジネスチャンスもこのあたりにあると思います。 また、MicrosoftのKinectに代表されるような、モーショントラッキングカメラの技術も進化が著しいので、選手のかなり詳細な情報を、新しい表現技術(ホログラムなど)で再現できるようになりそうです。そうなると、テレビの画面だけでなく、街中で選手のスピードやパワーを体感できる「体験型のオリンピック」も実現できるのではないでしょうか。これはちょっとワクワクしますね。 テクノロジーだけが進化しても、それを親しみのあるものにして一般の方々まで普及させるには、きめ細かい「日本らしさ」というコンテンツを、テクノロジーに掛け合わせて発信することが大変重要だと思います。 可視光通信も非常に可能性を感じさせるテクノロジーだと感じています。先端テクノロジーを、研究者やマニア層の人たちだけに留めていては価値がありません。今それを知らない人たち、それを日々の生活で本当に必要とする人たちに届いて、初めて価値があります。そのカギを握るのが「エンターテイメント」だと僕は思っています 先端技術が一般に普及されるために必要なステップを踏むこと。これは、可視光通信も例外ではありません。ハードとソフト、テクノロジーとコンテンツ、その双方の良さに通じていらっしゃる上路社長だからこそ非常に説得力あるお話に、カシケンを運営する身として、うなづくことばかりでした。2015年9月7日、8日、東京で開催される「Wearable Tech Expo in Tokyo」でのご活躍はもちろん、「最新テクノロジー×コンテンツ」で、これからも私たちコンシューマますますワクワクさせていただきたいと思います。上路社長、貴重なお話をありがとうございました。
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