公開日: 最終更新日:2018/10/15

可視光通信と紫外線・赤外線通信との違いとは?

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「可視光通信」とは、文字通り「人の目に見える光による通信」です。人の目に見える光=可視光線の波長は、380~780nm(ナノメートル)の範囲と言われています。色で言えば、青紫色から赤褐色までが、人の目で認識できる光の範囲です。380nm以下の波長を持つ電磁波を紫外線、780nm以上を赤外線と呼びます。ここでは、紫外線・赤外線と可視光線を比較して、可視光通信のメリット、優位性について考えます。

紫外線通信ってあるの?

紫外線と赤外線は、共に人の目には見えない光、電磁波です。「赤外線通信」はご存知の方、言葉を聞いたことがある方も多いと思います。電化製品のリモコンなど簡単なデータの転送や、電子機器間の短距離データ転送など、身近な分野で利用されていることはみなさまもご存じでしょう。しかし、「紫外線通信」と言う言葉は、あまり耳にすることがありません。それはなぜでしょうか?

紫外線と赤外線では、まず波長が大きく異なります。紫外線の波長は約10~380nmの範囲、赤外線の波長は780nm~1mmです。紫外線は、赤外線に比べて波長が短くエネルギーが大きいのが特徴。逆に言えば、波長が長い赤外線の方がより遠くまで、省エネルギーで届きます。つまり、赤外線通信の方が、少ないエネルギーで遠くまで電波を飛ばせるため、活用範囲が広く、さまざまな用途の無線通信に利用されているのです。

また、赤外線は人体に悪い影響を及ぼしませんが、紫外線はエネルギーが大きいため、浴び過ぎると人体の細胞を傷つけたり、消失したりすることがあるので、注意が必要です。さらに、赤外線LEDは1960年代の比較的早い時期から開発が進みました。一方、紫外線LEDは1990年代になってようやく実用化の研究が進み始めるなど、技術的に難しさを抱えていました。

人体への影響と技術的な問題が、紫外線通信実用化の障壁となっているのです。

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可視光通信と赤外線通信の違いは? メリットは?

可視光通信は人の目に見える光、赤外線通信は人の目に見えない光を使った通信です。人の目に見えるということは、その情報がどこから発信されているか、発信源や通信範囲がわかるということ。受信側は、発信元の光を受けることで情報を入手できる、シンプルな仕組みです。

また、青色LEDの普及により、光の色を自在に作り出すことが可能になったため、情報を色分けして送ることも可能になります。照明が持つ数ワットの高い電力で、データを高速送信できることも魅力です。

可視光通信は、人体への影響、安全性やインフラコスト、セキュリティなどの面から、多くの分野でその可能性を期待されています。

※この記事は2014年10月22日の記事に加筆し、更新したものです

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