通信インフラに利用可能! LED光無線システム「LED Backhaul®」紹介
東京オリンピック/パラリンピック!5Gのサービス開始!などで日本中がワクワクしていたはずの今の時期ですが、新型コロナウイルス感染症で一気に世の中の盛り上がりは先送りになってしまいました。
5Gの特徴は「超高速」「低遅延」「多数同時接続」です。この特徴を利用して世の中は今までにない「驚き」「便利」を模索している最中です。
今回は可視光通信に代表されるLED無線通信も5Gを補完する重要な通信手段と考え、既に製品化をして日々実証実験に挑戦している日本の企業をご紹介します。
この記事の目次
■もっと自由に、誰でも使える通信を!
株式会社三技協(本社所在地:横浜市都筑区)は、無線通信のエンジニアリングサービスを提供する創業55年目を迎えた老舗企業です
我々が普段何気なく使っている、携帯電話、衛星放送、ETCなどを安全に快適に使えるようのするために三技協のような無線エンジニアリングサービス会社が日夜汗を流しています。事前のシミュレーションを通じたエリア設計や回線設計、システムインテグレーション、通信の設定を含めた現地調整、その後の保守メンテとその活動は多岐に渡ります。
我々の日常に欠かせない無線通信ですが、誰もが自由に使えるものではなく、電波法の下、定められた周波数に対して免許を得てはじめて通信の電波を使用することができます。
一部、無線LAN(Wi-Fi)のように周波数帯域が一般に開放されているものもありますが、多くの人が入り交じって使用するため、チャネルが競合したり、電波干渉が生じたりと、安定して通信を利用できないこともあります。
もっと自由に、誰でも使える通信はないのか?
三技協は、そんな着想から、可視光通信に関心を持ち、LED光を使った自社製品を商品化しています。
LED光無線システム「LED Backhaul®」
■LED光無線ならではの取り回しの良さを実感!
「年に数回しかない大きなイベントを開催するときにFree Wi-Fiを提供したいけどどうしたらよいか?」
実際に三技協に寄せられているユーザからの声です。
年に数回しか実施されないイベントのために常設のネットワークを整備することはできない、無線を使うにも免許申請などがあり手が出せないなど、通信を使うハードルの高さが目に付きます。
可視光通信をはじめとするLED光通信は、電波法で定められる3THzを遥かに超える高い周波数帯域を使用する通信であるため、免許申請することなく、自由に使うことができます。
携帯電話やWi-Fiなどから発生される電波の干渉影響もありません。
光同士の干渉も、追楯(ついたて)一つ使えば光を遮ることができ、簡単に対処できます。
このような自由度の高さから、サーキットでのFree Wi-Fi提供、花火大会でのセキュリティカメラ映像伝送など、ネットワークをLED Backhaul®にて延伸して対応する事例が出てきています。
LED Backhaul®の商品スペック
■高速かつ低遅延を求める新しいアプリケーションにも対応
「リアルタイムに映像を確認しながら遠隔制御したい」
そんな新しいアプリケーションの実現が求められています。
建設現場や倉庫の什器やクレーンを遠隔制御はその一例です。
近年のLEDや受光素子の進化、変調方式の進化により、LED光通信において1Gbpsを超える高速通信が実現されています。LED光通信の通信遅延は数msec以下であり、高速かつ低遅延という特徴を活かした高精細映像のリアルタイム伝送手法として、各種実証実験がスタートしています。
■意外なところにLED光通信が活用
新東名高速道路を通行中に「Truck Platooning」のロゴを掲げた3台編成のトラックが走行しているのを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
国交省、経産省が進めるトラック隊列走行において、先頭車両と後続車両の制御信号のやり取りに、三技協のLED光通信が使われています。今後の発展として、隊列走行時に生じる死角となる箇所の映像伝送もLED光通信にて伝送されることが期待されています。
将来的には、車のヘッドランプとテールランプに光通信が実装され、走行中の車同士が情報をやり取りするような時代が到来するかもしれません。車同士が繋がることによる新しいサービスが創出されることにも期待が高まります。
トラック隊列走行への応用利用(車車間通信)
■国際標準化も進み、今後の利用拡大に期待
「LED Backhaul®」は、欧州最大の応用研究機関Fraunhofer研究所の通信研究所であるFraunhofer HHIにて開発された通信技術を元に商品化がされています。
現在、Fraunhofer HHIが中心となってIEEE802.15.13での標準化活動が進んでいます。
標準化もされ通信機の相互利用も進んでいくことでしょう。
今後の可視光通信及びLED光通信の発展にますます目が離せなくなっていきそうです!
■フォトニクスの技術が電波を助ける時代がすぐそこまで来ている!
キラーアプリが決まらずなかなか広まらないLEDを使った無線通信。その素晴らしい技術を世の中に広めようといち早く製品化を行い可能性のある用途に実証実験を続けている株式会社三技協。カシケンは5Gおよびビヨンド5Gにおいて必ずやフォトニクスの技術が電波を補完すると確信しています。
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