「2020に向けて」が活発に! Interop Tokyo 2016レポート
インターネットテクノロジーの総合イベントとして、今年で日本開催23回目となる「Interop Tokyo 2016 」が、2016年6月8日(水)~10日(金)まで、千葉市の幕張メッセで開催されました。情報通信技術の最先端が披露されるということで、可視光通信がどのような位置付けにあるのかを確認するために行ってきました!
この記事の目次
Think out of the box ~創造力と技術で生みだす未知なる世界~
Interop Tokyoは、「Connected Media」「デジタルサイネージジャパン(DSJ)」「ロケーションビジネスジャパン」「APPS JAPAN(アプリジャパン)」との同時開催で、IoTで実現する世界とそのためのテクノロジーやセキュリティ、接続されるデバイスが今後爆発的に増えることを前提とした、インターネットそのものの在り方を考える展示会です。
「ロケーションビジネスジャパン」では、位置情報について、特にスポーツの位置情報や、G空間における運用に関する法律についての講演が興味深かったです。ビッグデータの活用の進展やAI・IoTに関する技術革新により、「第4次産業革命」という言葉が登場しています。車の自動運転やドローンによる物品輸送等、現状の法律でカバーできないことについて、具体的な施策についての検討が進んでいるようです。
「APPS JAPAN(アプリジャパン)」では、モバイルアプリの成功を支える最新技術トレンドや、インターネットのインフラがしっかり構築されていることを前提に働く、正当なアプリの開発についての講演がありました。Googleは、アプリが美しいかどうかが重要というテーマでアプリ開発支援のプレゼンテーション。パスワードを入れ直す必要性を減らすこと、絶対的にスピードが速いことからオフラインの必要性を推奨し、ウェブサイトを使わないオフラインでのアプリが提案されました。
2020年に向けた、社会全体のICT化アクションプランの公開
「デジタルサイネージジャパン」のテーマは、そのものズバリ「2020に向けて」。
単なる広告ボードとしての役割で終わるわけにいきません。デジタルサイネージも進化していますし、スマホやそれを利用した市街地でのIT化もどんどん発展しています。
基調講演は、業界最前線で活躍する女性3人のパネルディスカッションでした。デジタルサイネージが、2020年に向けてどのように進化すべきか、具体的には、2020に向けた社会全体のICT化のアクションプランとして、
・おもてなしサービス
・高度な映像配信サービス
・災害情報
などがあげられました。
また、オリンピックに注目が集まりがちですが、パラリンピックでの完全なるバリアフリー化も重要な施策との提言がありました。そのためには、まず東京をどういう街にしたいか?というグランドデザインを上流に考えたインフラ整備が必要です。パラリンピアンが、「こういう街が素晴らしい」と思える街にしたい、そのためのサイネージにしたいという発言は、女性ならではの視点と思いやりにあふれたもので、製品化に必要な視点だと感じました。
ダイバシティーのデジタルサイネージ
こうした、情報インフラとしてのデジタルサイネージの普及には、「表記」「システム」の標準化と、「創る人材・支える人材」の標準化が重要ですが、今は残念ながら国際標準化していません。こうした現状が、デジタルサイネージの効果的な普及が遅れる理由の一つになっているので、早急に進めていかなければならないという話もありました。
また、2020年という「特需」の後の活用も大切です。みんなが使えるサイネージであるべきで、そのためには、やはりシステムやハードよりコンテンツファーストで考えたいものです。たとえば、外国人が発見、発信をしてくれている日本の素晴らしい情景、情報を、日本人が共有できる環境にあるでしょうか? 食べ物、おもてなし、環境、風景、優しさなど、彼らから再発見できる日本の魅力を、日本人も含めて共有できる仕組みにデジタルサイネージが役立つはず、と彼女たちは語ります。デジタルサイネージから見れば Internet of Things(IoT) ではなくIoA(Area)なんですね。
カシケンとしては、こうしたデジタルサイネージの活用の中で懸念される、ハッキングなどへの防衛手段として、可視光通信が使えるのではないかとイメージしていました。最初から見える光を使うのですから、セキュアな通信手段として可視光通信が活きるシーンだと感じました。
続々発表される可視光通信
さて、お目当ての可視光通信は、Interopエリアには富士通が、DSJエリアにはPanasonicが展示ブースを構えており、それぞれ可視光通信の特徴を体験することができるデモンストレーションを用意。多くの人の興味を引き付けていました。
2016年の春以降、可視光通信に関する製品や技術の発表や展示が増えていると実感します。ますます、具体的な用途でのプレゼンテーションが増えてきそうだという予感にワクワクしながら、展示会場を後にしました。
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