景観を損ないたくない場所での可視光通信のメリット
可視光通信は、目で見える光に情報を載せられる技術です。たとえば、観光地など看板規制があるような場所で、景観を損なわずに情報を発信する使い方が考えられます。
注意して見ると景観を損なわないよう工夫されている場所がある
街には高輝度LEDを使用した看板が、どんどん増えています。
大阪の道頓堀にあるグリコの名物看板も、約14万個のLEDが使用されています。これだけのLED光源を持ちながら、現在は可視光通信が行われていないことが、個人的にとてももったいないと思っているところです。 場所によっては、街の景観を損なわないよう、看板の大きさや色などを規制しているところも少なくないようです。京都を訪れ街中を車で走っていると、いつも見ている店舗も、ロゴは同じでも色が違っていることがあります。これは、京都の景観に合う色を、看板、サインに使用するよう定められているからです。
京都だけではありません。全国には同じような規制を定めているところ、白川郷のように看板すら目立たないように配置するよう定めている場所もあります。
ただの光、実は可視光通信
青色LEDの普及により、LEDでRGBが実現でき、フルカラーが再現できるようになりました。技術の進歩により白熱球やガス灯を変わらない温色も可能になってきました。こうした技術革新により、看板一つをとってみても、景観を損ねない街の演出が可能になったわけです。
一見普通の街路灯でも実はLEDが使われていたり、お寺や神社の行灯にLEDが使われていたり、LEDがいたるところで使われるようになる・・・。するとそこでの可視光通信が可能になります。普通に見ているだけではただ光っているだけのLEDの光ですが、街路灯や行灯で店の宣伝や街の案内が行えるわけです。可視光IDで測位情報が取れますから、そこに来た人に有益な情報を発信することができます。
また、その情報を欲しい人だけが自分の意思で取りに行くことができるのです。 今までの看板のように、興味が有る無しにかかわらず目に飛び込んでくる情報と使い方は変わってくるかもしれませんが、欲しい人が欲しい情報を自分の意思で手にするという意味では、効率的な情報発信につながるかもしれません。
現状の受信機はやはりスマホ
今や、多くの人がスマホやタブレット端末を保有しています。受信端末としての機能をすでに備えたツールを、多くの人が使いこなしている時代です。これ以上の受信端末は現在はありませんし、スマホをベースに可視光通信の受信を行うのが効果的。したがって、可視光通信での情報発信の受信側のデバイスは、やはりスマホのカメラであるイメージセンサーになると思います。パナソニックの光IDによるLinkRayに代表されるような使い方ですね。難点は、専用アプリをダウンロードしないと使えないこと。あらゆるスマホに可視光通信を受信できる機能がデフォルトで付くようになれば、可視光通信のコンシューマ利用がより促進されるのですが・・・。2020年を視野に、その域まで行けるかどうかが期待されます。
※この記事は2015年1月14日の記事に加筆し、更新したものです
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