公開日: 最終更新日:2018/10/15

iPOP2017開催 三技協が可視光通信によるバックホール実用化へ

iPOP2017

2017年6月1日(木)~2日(金)に、IPと光ネットワークの国際会議「iPOP2017(International Conference on IP + Optical Network 2017)」が、開催されました。昨年に引き続き、株式会社三技協がLEDによる可視光通信でのバックホールシステムを展示。実用レベルにまで進化した製品を確認してきました!

iPOP2017とは?

iPOP(International Conference on IP + Optical Network)2017は、ネットワーク分野の研究者・技術者を対象とした、IPと光ネットワークの国際会議&展示会です。通信キャリア、通信機器ベンダ、標準化団体などから光IPバックボーンネットワークの研究開発に携わる世界の第一人者が参加し、各国の研究機関が持ち回りで運営しています。

会議では、5G(第5世代移動通信システム)やIoT、M2Mが主流となるこれからの通信のあり方や課題について、参加メンバーが熱心な議論を交わしていました。また、敷地内の別会場では、参画企業や団体による最新の研究成果のデモンストレーションや製品が展示・披露され、こちらも多くの関係者でにぎわいました。

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進化したLED高速通信によるバックホールシステム

株式会社三技協では、昨年発表したLED バックホールシステムの進化形を展示。前回は、国際会議の発表の様子を、大容量高速通信システム「LED Backhaulシステム」で転送(中継)し、展示ブースで見ることができる実演を披露していました。「LED Backhaulシステム」は、ドイツに拠点を置く欧州最大の研究機関fraunhofer(フラウンホーファー)の技術を採用しています。100mの距離で500Mbpsのビットレートを可能とし、電波を使わずに安定したデータ転送で、Full HDの会議映像生中継を実現したことで、多くの来場者の関心を集めました。

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今年は、それが実用化製品として登場しました。ポイントは、大きく2つあります。1つは、屋外での使用にも耐え得るようモジュールを完全防水仕様とし、さらに太陽光に影響を受けない用フィルターを導入したこと。もう1つは、低遅延を実現していることです。

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向かい合う装置それぞれで1リンク518Mbpsを上下に二台、上記のように近距離で設置することで、お互いに干渉することなくギガレベルのビットレートが可能になります。Wifiなどの無線は広く電波干渉がありますが、可視光通信ならではの特性である指向性により1対1の確実な通信が可能です。

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そして、遅延も0.13msと誤差の範囲内で、ほぼリアルタイム送信が可能な低遅延性を確保しています。

「LED Backhaulシステム」は、可視光通信ならではの特性として、以下のような特徴があります。

●免許がいらない!

→電波とは異なる周波数を使用するため、免許申請・免許登録が不要

●干渉に強い!

→電波と異なり、遮断によって光同士の干渉をコントロールできる

●設置が簡単!

→LED光の軸を合わせるだけで調整できるため、設置・調整が容易

LED光による大容量高速通信が現実的になったことで、5G時代にむけて、無線の課題の解決方法の一つとして、活躍が期待されます。たとえば、無線のような干渉を嫌う場所や物理的な配線が困難な道路や河川をまたぐような場所に通信インフラを設置したい時、ケーブルの施設撤去を繰り返すイベント会場、Wifiバックホールの一時的混雑が予測されるシーンなどでは、「LED Backhaulシステム」が活躍しそうです。2020年の東京オリンピック時に、4K・8K映像をLED光で送ることも現実化を帯びてきました。

具体的な利用シーンが見えてくるといろいろなアイディアがわき、現在はご相談いただくお客様からの要望を受けて、さらに進化すべく開発を進めているとのこと。新たな通信手段として実用化の一歩を踏み出した「LED Backhaulシステム」に、ますます期待が高まります。

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