周波数帯域の改善に国は動いている~第1回ウェアラブルEXPOトピック~
第1回ウエアラブルEXPOにおいて、総務省が特別講演を行いました。2020年東京オリンピックに向けて、国は周波数帯域の改善に動いているようです。
総務省は2020年の東京オリンピックまでに快適な通信ネットワーク環境を整える
電話が集中すると繋がりにくくなることは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。現在の通信ネットワークは、膨大な端末から一斉にデータが送られてくることを得意としていません。今後、ウェアラブルデバイスがどんどん増えていき膨大な数になった時のことを考えると、改善しなくてはならない課題がまだまだあります。これから先、500億個のモノが繋がるといわれているインターネット、IoTのことに対し、国はまだ、それほど深刻に考えていないように伺えました。 周波数帯域の枯渇が話題になって久しいですが、昨年末に総務省は、携帯電話の周波数約600MHzに対して更に120MHz割り当てました。加えて、Wi-fiなどの割り当ての約400MHzが、現状の環境だそうです。この割り当て周波数を、2020年の東京オリンピックに向けて、携帯電話とその他Wi-fiなどを合わせて2,700MHzにする、というスケジュールを作っているそうです。 東京オリンピックの時に、海外から来る人々がスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスを無線で繋いで快適な通信環境を作る、という話はニュースでも報道されていました。その対策がこの2,700MHzへの割り当て増ということです。しかし、携帯電話やWi-fiなどのネットワーク、RFID、Bluetoothなどの軽いデータの単独通信なら問題無いと考えている総務省ですが、今後ますますハイビジョン化されるスマートフォンのカメラやビデオカメラ、これから増えていくであろうウェアラブルデバイスに付くハイピジョンカメラなどで撮られた4K、8Kの動画を、無線を使いウェブ上にどんどんアップされると大変厳しいと言っていました。 また、個々のウェアラブルデバイスの軽い容量の通信データは問題なくても、常時接続で24時間365日送られるデータの蓄積はあまりにも膨大で、容量が追いつかないだろうと見られています。たとえば、現在は原発や海洋、大気シュミレーションなど、スーパーコンピュータを使わなければ短時間で処理ができません。今後ウェアラブルデバイスが増え続け、そこから送られ続ける蓄積されたビックデータも、同じくらいの処理能力が必要になるでしょう。まだまだネットワークの負荷を含めて、課題がありそうです。
今後の可視光通信の役割とは
総務省が2020年までに周波数帯域の割り当てを改善することで、周波数帯域の枯渇の問題は、ある程度解決しそうな様子です。それでも可視光通信は、機器同士の電波干渉やトンネルなどの電波障害のある場所、さらには水中など電波では通信ができないところに対して役割を発揮するでしょう。 また、一方的に情報が送られてくるプッシュ通信だけでなく、人間の意思によって見える光に対して受信機をかざして通信したい、という使用用途もあるはずです。IoTの場合、繋げたい場所によっては電波では条件を満たさないところもあります。また、必要な時にのみ繋げたい場合もあります。そのためにも、容量と速度の両面で今後も可視光通信の進化を期待したいものです。
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