公開日: 最終更新日:2018/10/15

SEMICON Japan2017特別展「WORLD OF IOT」を見学

SEMICON Japan semiちゃん

2017年12月13日(水)から15日(金)まで、東京ビッグサイトにおいて「SEMICON Japan2017(主催:SEMI)」が開催されました。

特別展として「WORLD OF IOT」が展開され、今後のスマート社会のエンジンとなるIoTの発展をリードする様々な技術が披露されるということに興味がわき、会場まで出向いてみました。

SEMICON Japan2017での特別展「WORLD OF IOT」

SEMICON Japan2017

エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会として、世界最大級を誇る「SEMICON Japan」。第41回目を迎えた今年の最大の見どころとして喧伝されたのが、特別展の「WORLD OF IOT」です。

「あらゆるものがコネクトする=IoT」が半導体の新需要を開拓できるとあって、開催前から大きな注目を集めていました。半導体の世界も、単体としての機能もさることながら、様々なアイテムとの連携で全体としての生産性向上に寄与する、という新しい提案が必要な時代になったことを肌で感じました。

FAにおけるネットワーク基盤はやはり有線優位

WORLD OF IOT

すべてのものがインターネットにつながるIoTでは、やはりセンサーや通信機能が重要な役割を占めます。例えば、パナソニックブースでは、次世代燃料としての開発が進む水素燃料の利用を視野に入れたセンサー技術が披露されていました。

もう一つのファクター、「通信」分野の展示については、従来の有線(光ファイバー)に代わる無線の提案もあり得る、との期待で見学しました。

やはりFAの世界では、「通信が途切れてはいけない」ということから、FA現場では有線通信が前提での商談が多いようです。そのリスクを排する「頑丈で柔軟な光ファイバー」の提案が多く見受けられました。

その中でカシケン的に注目したのが、東洋電機㈱のデモ展示です。

有線と無線のデメリットをカバーできる「光」通信技術

東洋電機

東洋電機では、先のCEATECでも参考出展していた、GIGAレベルの光通信を実現する超高速空間光伝送装置「MAGICBEAM」(参考出品)のデモンストレーションを行っていました。

東洋電機の「光」通信はレーザーによる通信。すなわち、光ファイバーケーブルから外側のカバー部分をなくしたイメージです。

MAGICBEAM

ブースでは、カメラで撮影された映像を光に変え「MAGICBEAM」で伝送、受信した光をデジタル信号に変えてPCディスプレイに表示する、というデモンストレーションを行っていました。

画像データをはじめとする大容量データを、高速に短時間で送信できるうえ、光ファイバーケーブルにありがちな破損や劣化の不安がありません。そのため東洋電機では、FA環境における有線ファイバーの不具合時の一時的な代替機としての用途や、有線を引きにくい工場、クリーンルームなどでの利用を想定して、営業を展開しています。プロトコルは異なりますが、光ファイバーからそのままの光を飛ばせるという特性から、FAに限らず様々な用途での商談が生まれているのだそうです。コストもケースバイケースで、必要最小限の装置であればかなりリーズナブルにできる可能性もあるとのこと。

無線ですので、遮断のリスクや遅延などのデメリットやレーザーならではの課題も指摘されるところではあります。しかし、ケーブルを引かずに通信できること、直進性や秘匿性に優れていること、こうした「光」の特長を生かし、従来の有線や無線がカバーしきれない部分を補完する通信手段の一つとして、FAの現場では既に導入が始まっているようです。

可視光通信技術は、残念ながらここでは見ることはできませんでしたが、数年前に提唱されたLi-Fiの世界が、より近づいていることが感じられた展示会でした。

 

おまけ

東京ビッグサイトサイネージ

ちなみに、SEMICON Japan2017の会場となった東京ビッグサイトでは、世界で初めて光ID通信技術を利用した多言語対応デジタルサイネージの運用を、2016年3月から運用しています。デジタルサイネージにスマホをかざすと、端末の設定言語に合わせて多言語表示することが可能。一度に大勢の利用者に異なる言語で情報を提供することが出来るシステムとして、日・英・中・韓の4ヵ国語に対応しているものです。

デジタルサイネージを見かけると、ついついスマホをかざしたくなるカシケンチームなのでした。

 

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