可視光通信協会(VLCA)インタビューを終えて
晩秋の慶應義塾日吉キャンパスにお邪魔して、まず感じたことはここは本当に大学のキャンパス?ということでした。スポーツクラブ、コーヒーショップにイギリス風パブ、託児所までありました。そんな建物の中で春山会長と鈴木事務局長には快くに出迎えていただき、え可視光通信協会の成り立ちや目的、そして可視光通信発展にご尽力されていることがとても伝わってくる時間でした。 LED照明の普及しない頃に可視光通信の原理を説明してもあまりにコストがかかる理由で多分現実的には社会に受け入れられず、創始者の中川教授もさぞかしご苦労されたと思います。また、発光側が普及してないがために企業の商品開発も抽象的なビジネスモデルしか作れなかったのだろうなと想像しました。そして、企業であるがために1社、また1社離れていった、それは、近未来というより直近の収益に直結するものでないと推進していくことができない当時の日本の企業の状況が伺われます。 青色LEDが実用化され白色LEDが普及し照明や掲示板、看板、信号機などLEDが身近に感じられる今、可視光通信を世の中に広めるためコンソーシアムを発展解消し一般社団法人として再スタートされた可視光通信協会、そこには、今まで可視光通信の魅力に取り付かれ可視光通信のある素晴らしい社会を夢見て諦めなかった方々の思いが感じられました。その光景はもう少しで現実になるでしょう。そのためには、開発キットや実験キットをもっと手軽に市井のエンジニア、商品開発者に普及させることをが必要です。また自動車も交通信号機も街路灯も可視光通信の可能な光源に変わるでしょうし、鉄道に関しての開発をされている企業もちらほら出てきています。電波の周波数帯域の空きもなくなっている現在放送業界の実験も進んでいます。まさにIoTの一躍を担う存在に成りつつあるのです。 現在の可視光通信の課題である受光部については、フォトカプラとイメージセンサーの2通りの方法がありますが、半導体メーカーも頑張って開発を進めてほしいと思います。そして、みんなが安心して開発できるように規格の統一も協会には進めていただきたいと思っています。ただし、利権で固められたらコンシューマまで降りてくるのは間違いなく時間がかかってしまいます。2020年の東京オリンピックどころではありません。 春山会長は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科で春山真一郎研究室を持たれており、若い世代の方たちと一緒にユビキタスコミュニケーションラボ、空間位置情報サービスラボ、可視光通信ラボ、列車サービスラボなど4つのラボの活動の中で可視光通信の可能性を日々研究していらっしゃいます。その若い方たちの発想も記事に載せながら、可視光通信研究倶楽部はカシケンの愛称で可視光通信に携わる人々の情報サイトになればいいなと思いつつ、キャンパスを後にしました。春山会長、鈴木事務局長、今回は本当に有難うございました。
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