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ポケベル事業終了とソフトバンクの障害に、無線電波頼みの危険をみる

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ポケベル事業終了の発表、そしてソフトバンクの通信障害。

平成最後の師走の始まりに飛び込んできた2つのニュースに、いろいろ思うところがありました。今日はそんなことを書き連ねてみたいと思います。

ポケベルが最後まで使われていたのは医療現場?

2018年12月3日、東京テレメッセージは運用中の無線呼出サービス「ページャ(マジックメール)」の提供を、2019年9月30日で終了すると発表しました。まさにバブル期に一世を風靡したポケベルサービス。ニュースを見て懐かしい思い出がよみがえった方も少なくないでしょう。携帯電話の普及により一般的には使われなくなって久しいため、「まだ使われていたの!?」という驚きの声が多くあがりました。

当初は数字の表示だけだったポケベルで、様々な暗号を駆使してコミュニケーションしたことも楽しい思い出。ビジネスで使用していた人なら、「49(至急)」とメッセージが入ると慌てて公衆電話から会社に連絡した経験があるはずです。個人向け通信としてのポケベルの役目は終わったとの判断で、まもなく世の中から姿を消す「ポケベルよ“5963(ごくろうさん)”、あとはケイタイに“4649(ヨロシク)”」というところでしょうか。

さて、一般的には既に記憶のかなたにあるポケベルを最後まで使っていたのは、主に医療関係に従事されている方々といわれています。病院などの医療施設には、電波干渉を嫌う精密機器が多数あります。こうした環境下で、強い電磁波を出すことなく、建物の隅々までどこでも受信しやすいポケベルはとても重宝したのだと思います。

しかし、やはり緊急性がある場合の音声通信に勝るもの無し。現在は多くの医療施設でPHSや携帯電話が利用できるようになっています。電波干渉の問題が解決したわけではなく、利便性が優先された結果でしょう。

年末に襲った大規模通信障害

そうした中、2018年12月6日の午後、ソフトバンクやワイモバイルの通信障害が広範囲にわたり発生しました。翌日のニュースによれば、緊急呼び出しを含む全ての通信が遮断される障害が、4時間半にもおよんだとのこと。携帯電話は今や、通信だけの目的で利用するものではありません。様々なアプリを通じて、検索、マップ機能、課金、決済、チケッティングなどなど、もはや生活必需品。世の中に無くてはならない重要なインフラであり、ツールとなっています。たった4時間半スマートフォンが使えなくなるだけで、世界11カ国が大混乱。いかにスマホが日常生活に深く関与しているかに、改めて気付かされる事件でした。

当初、今回の通信障害の原因は、ソフトウェア証明書の有効期限切れに気付かなかったエリクソン社の凡ミスのようにも報じられましたが、真相はわかりません。しかし、原因がなんであろうと通信障害は発生し、電波無線の課題が可視化されたのは事実です。WiFiを求める群衆が、スターバックスやファミリーマートなど、Free WiFi環境がある店舗周辺に群がり、群がりすぎてWiFiが繋がらないという事態に、どれだけの人が疲弊したでしょうか。Free WiFi環境はまだまだプアで、無線回線(4G LTE)の代替えにはなりません。

連絡ができない、検索ができない、支払いができない、チケットを表示できない・・・。ある意味では日常生活の機能が麻痺したともいえる事態が、凡ミスにより引き起こされたわけです。これがサイバーテロであったら・・・と考えると、本当に恐ろしい話ですね。2020年までに解決しなければならない課題が、この4時間半で可視化されてしまったといえるでしょう。

無線通信頼みに潜む危険

これらのことから私たちが学ぶべきことは、いろいろあります。ひとつのキャリア、通信手段に頼ってはいけないということは、言わずもがなでしょう。可視光通信押しのカシケンとしては、バックアップや複数の通信手段の一つとして、可視光・赤外線を使ったLED無線通信の存在を、この機会に広く知っていただきたいと願っています。

LED無線通信は、文字通りLEDを使った通信。電磁波を出さない無線通信方法の一つです。電波干渉を嫌う場所でセキュアに無線通信ができるのが大きな特徴です。今回のソフトバンクの大規模通信障害のような事態が、今後二度と起こらないとは限りません。そして、世の中から姿を消すポケベルが、携帯に代わることはもはやあり得ません。有事の時のためにバックアップ電源が用意されているように、通信もなんらかのバックアップ態勢が取れるよう、準備が必要なのではないかと強く感じる、年の瀬に起きた2つのニュースでした。

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