IoT普及を加速するLPWA。共存が期待できる可視光通信
モノのインターネット化IoTが、様々な分野で活用され始めました。一般的なサービスの普及のために欠かせない通信インフラとして、低コストで広域への常時接続を現実的にするLPWA(Low Power、Wide Area)への期待も高まります。しかし、そもそも「電波」であるLPWAには、電波ならではの課題もあります。この電波ならではの課題解決に、可視光通信が一役買えるのではないでしょうか?
セルラー系LPWAと非セルラー系LPWA
現在展開されているLPWA(Low Power、Wide Area)は、2系統に分かれます。一つが、モバイルキャリアが運営する「セルラー系LPWA」と呼ばれるもので、代表的なサービスに「NB-IOT」「LET-M」があります。もう一つが、ISMバンド(Industry Science Medical:産業や学術、医療用帯域)を活用した「非セルラー系LPWA」と呼ばれるタイプで、「SIGFOX」「LoRaWAN(LoRa)」が代表的です。
現在、非セルラー系の「SIGFOX」「LoRa」で商用利用が始まっており、セルラー系は今年度からの商用利用を目指して各キャリアが準備を進めているところです。従って、IoTサービスで先行する企業は、今すぐ利用できる「SIGFOX」「LoRa」を採用する傾向にあります。
しかし、今後モバイルキャリアがサービスを展開し始めれば、すでに全国規模でLTEの基地局を保有する強みを生かして、広範囲でのネットワークを望むIoTサービス企業の心強い味方となることは間違いありません。
そうなるとLPWAも必然的に棲み分けが為されそうです。すなわち、全国規模のLPWAネットワークを必要とするサービスではセルラー系を、自社内など限られたエリア内でのIoTの運用であれば非セルラー系を、と選択できる環境になるでしょう。
通信インフラの問題がクリアになれば普及スピードはさらに加速し、文字通り「モノのインターネット」化が当たり前の世の中になるのは時間の問題です。
LPWAのデメリットと対策は?
爆発的に普及する前に考えておかなければならないのが、LPWAのデメリットの部分です。LPWAは電波ですので、何らかの事情で「電波」が使えないところでは利用できません。さらに、広域通信という特性から、セキュアな通信手段になりにくいという点も課題としてあると思います。
では、電波干渉を嫌ったり、セキュアにデータを扱ったりしたい利用シーンで、LPWAは使えないのでしょうか?
ここで注目したいのが可視光通信。電波を必要とせず、かつセキュアにデータを確実に送信できる可視光通信が、こうした課題をカバーできるのではないかと考えます。
LPWAと可視光通信を適切に組み合わせることにより、IoTやM2Mの確実性、安全性をさらに強化できる可能性があります。LPWAと可視光通信の共存は、より多くの利用シーンでの活用を可能にします。
IoT開発に携わる皆様には、通信手段の一つとして、可視光通信技術も知っていただきたいところ。また、可視光通信技術を持つメーカーには、この分野にも積極的に参入していただきたいものです。
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