放送と通信、その垣根は?~可視光通信・IoT旬なワード~
事業として成立する電気での伝達の手段には、放送と通信の2種類があります。電波のデジタル化により放送だけ、通信だけという垣根がなくなりました。日本のアナログテレビ放送が完全に停波してから、2018年の今年まで約7年が経ちました。受信者側の私たちは、特段意識することもなく、放送と通信を融合して楽しんでいます。そもそも放送と通信とはどのようなものなのでしょうか。
この記事の目次
放送と通信について
「地上波デジタル放送」という言葉を私たちが聞くようになってからもう随分経ちます。デジタルテレビ放送の開始に伴い、電波塔の役割は、東京タワーから東京スカイツリーへとバトンタッチされました。視聴者参加型のテレビ番組は、今や普通に私たちに受け入れられており、人気投票やジャンケンなど様々な趣向を凝らした番組が放送されています。こうした参加型の放送には通信の要素も入っています。
放送と通信を「テレビやラジオ」と「電話や電信」に置き換えるとイメージが湧いてきます。
放送の定義は「音声・映像・文字などを電気通信技術を用いて、一方的に同時に不特定多数(大衆)に向けて送信すること」です。一方、通信の定義は「特定の相手とのやりとりのこと」(※ウィキペディアより)。放送は不特定多数に発信しているのに対して、通信は発信者が特定の受信者に情報を発信し、これを受信者が受け取らなければ意味がないということです。視聴者参加型のテレビ番組は、テレビ局からは不特定多数に放送して、視聴者からはテレビ局に通信するわけです。
放送と通信には、それぞれ送信出力や使用周波数などの規程があります。これが、電波法です。さらに事業での放送や通信となると事業者としての送信内容やサービスなどを規程する法律があります。放送法や電気通信事事業者法がこれにあたります。
視聴者参加型のテレビ番組では、事業者としての放送と通信の法律が適応され、景品法や個人情報保護法などいろいろな法律が関わってきます。 インターネットや光ファイバー、ケーブルテレビなどにより、ますます伝達は高速で大容量になり、今まででは考えられないほど便利で面白いサービスが行われることでしょう。そして送信と視聴者の双方を守るために、法律が改正が進んでいくのです。
ICTは放送か通信か?
ICT環境で使われるWi-FiやBLE、それから期待される可視光通信は、果たして放送でしょうか?通信でしょうか?特定のエリアに入るとスマホに情報が入ってくることや、LEDを使った大型ビジョンからスマホに向けて、一斉に情報を発信するなどは一見放送のように思いますが、これは通信です。なぜなら、スマホにアプリを入れた特定の人たちのみに情報を発信しているからです。
2020年のオリンピックに向けて、放送や通信の垣根がなくなり、情報提供者側にとっても最善の伝達手段を使い、便利で面白いサービスが世の中に出てくることが楽しみです。電波の使えないところや、電波を使うよりメリットのある可視光通信の使い方の企画が盛り上がっていくよう、これからも「カシケン」は可視光通信情報を発信していきます。
※この記事は2015年4月17日の記事に加筆し、更新したものです
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