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電子牽引を支える光無線通信

 

 

「後続車無人隊列走行とは?」

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後続車無人隊列走行とは、ドライバーが手動運転を行う有人トラックを先頭車として、1台から複数台の無人トラックが『電子的な連結』によって後続し、高速道路などで短車間距離の隊列走行をおこなうシステムです。

 

「電子的な連結」とは、車両間を通信などにより接続するもので、連結器を用いた「物理的な連結」はしません。

 

期待される効果として、省エネ効果・省人化(ドライバーの負荷軽減)・安全性や運行効率の向上が挙げられます。時速80km/hにて車間4mで車群を構成した場合、15%の燃費向上が見込まれています。

 

 

「後続車無人隊列走行を実現する制御」

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後続車無人走行を実現するためにさまざまなセンサーや通信が使用され、冗長化により高い安全性と信頼性が実現されています。

 

-先頭車トラッキング制御

車線の維持のために、有人の先頭車の走行軌跡を無人の後続車が自動で追随する制御を行っています。ここには、Lidarやステレオカメラ、RTK-GPSが使われおり、先頭車を認識し、先頭車との横ずれ量を正確に検出し、左右±50cm以下の追従を実現しています。

 

-車間距離制御

車間距離を短距離で制御するために、従来の車間距離センサーに加えて、車車間通信が使われています。隊列を組んでいるトラックは、一般車が容易に割り込めないようにするために隊列内の車間距離を常に5m~10m以内に制御していますが、従来の車間距離センサーだけでは、急ブレーキの際に後続車が衝突する恐れがあります。後続車無人システムでは、トラック同士を電子的な連結(車車間通信:CACC)で結び、先頭車のアクセルやブレーキペダル踏んでいる情報を後続車にただちに伝えて制御しています。

 

-先頭車ドライバー運転支援

3台のトラックにより隊列を組んだ場合、全長は約60mにもなります。周辺の情報を的確に認識して操作する必要があり、車両の側方と後方に取り付けられたミリ波レーダにより、先頭ドライバーの周辺環境確認を支援しています。

 

「電子牽引を支える光無線通信

 

隊列走行の電子牽引用車車間通信は、何らかの理由で通信が途切れても「電子牽引」の状態を維持するために、冗長構成を形成しています。もともと760MHzITS帯とLTE(将来的には5G予定)の2回線が使われていましたが、電波を使った無線通信は、トラックの大出力違法無線機による切断の可能性があることから、光無線が電波通信のバックアップとして採用されることとなりました。その後、開発が進むにつれて光無線はバックアップではなく、メインの通信として使われるようになりました。

 

電子牽引の車車間通信に求められる要素は何でしょうか?

後続車を制御するために、切れ目無く情報を送り続けなければならないため、基本的に以下の3つの要素が必要になります。

1.       干渉に強いこと

2.       遅延が少ないこと

3.       安定していること(エラー率が低いこと)

 

光無線通信は、他からの干渉がほとんどありません。光はあまり広がらず真っ直ぐに進み、反射すると大きく減衰(散乱)します。このことから、マルチパスが発生せず、フェージングが起こりにくく、反射や回り込みなどによる意図しない他の機器からの光の干渉も発生しません。フェージングの影響が小さいことから、強いFEC(Forward Error Correction)をかけなくても済むため、通信全体として遅延を少なくすることが可能になります。更には、光は電波法に縛られないためキャリアセンスも必要なく、遅延を少なくできます。

 

三技協の光無線通信「LED Backhaul」は、最大速度が750Mbpsです。電子牽引で必要とされる通信距離は長くても30m程度であり、状況が悪くとも100Mbps以上の通信速度を確保できます。電子牽引としては十分な速度となり、その通信余力を使うことで、移動環境においてもエラー率が低く、かつ遅延が少ない状態を維持できます。また、SNR(信号対雑音比)の変化に応じて、高速に速度を変化させる適応変調を使用しているので、移動時のようにSNRの変動が大きくなる環境においても状況に合わせた適切な速度で通信することができます。

 

電波にはない様々なメリットがある光無線通信は、電子牽引に必要な3つの要素を全て満たすことができるため。電子牽引の車車間通信として中心的な役割を果たしています。

 

電子牽引はトラック隊列走行により生み出された技術ではありますが、将来は様々な別の用途にも転用されることが期待されています。例えば、通勤通学バスの隊列や工場、倉庫、港での貨車の隊列などです。そして、諸々の課題を持った通信手段の多くに、この「光無線通信」が今後益々採用されていくとをカシケンは期待しています。

 

 

<参考リンク>

 

◇経済産業省 metichannel :

高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現しました①技術紹介

 

◇経済産業省 ニュースリリースアーカイブ:
高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現しました (METI/経済産業省)

◇豊田通商株式会社様HP:
高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現

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