公開日: 最終更新日:2018/10/15

光技術が結集!All about PhotonicsからLED JAPAN 2015レポートVol.2

光技術の今が一堂に見られる展示会「All about Photonics」が、2015.10.14(水)−10.16(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。「InterOpto」「BioOpto Japan」「LaserTech」「LED JAPAN」4つの切り口からなり、光に関する技術のベストマッチングの場として開催されたものです。 Vol.1では、大盛況だった3つの可視光通信セミナーに関するレポートをお届けしました。Vol.2では、セミナーで紹介された可視光通信技術の製品や具体事例、その他の注目サービスについて報告します。
光技術が結集!All about PhotonicsからLED JAPAN 2015レポートVol.1

太陽誘電ブースでは高速可視光通信用モジュールを展示

IMG_6191 セミナーでは、太陽誘電の企業紹介と、可視光通信用モジュールの開発背景や用途を中心にお話しされていましたが、ブースでは実際にそのモジュールを手にすることができました。 IMG_6192 今までは「可視光通信を使った製品を企画したい」という要望に対して、理論的には可能であることは分かっていても、世の中に実際に検証できるモジュールがありませんでした。デバイスメーカーである太陽誘電が、評価用モジュールをリリースし市場に出したことで、簡単に可視光通信を体験できるようになりました。今後、これを活用して様々な利用用途、アイディアが登場してくることを期待します。

アウトスタンディングテクノロジーブースは大賑わい

IMG_6195 すでに商品化されている「照明無線LAN」の実機とデモンストレーションが見られるとあって、アウトスタンディングテクノロジーブースは、担当者がてんてこ舞いなほどの賑わいを見せていました。上記の画像に写っている照明器具、これがLED照明側のベースユニットです。白色LED発光による可視光通信と、受信用には赤外線の受信素子、そしてイーサネットのコネクタが付いています。そこから約120度の通信角度、距離としては約5mの範囲であれば、USBモバイル端末で情報をやり取りすることができます。取材もひっきりなしに入っていて、これから実用シーンが続々と生まれそうな予感です。また、同ブースに参考出展されていたFA用の製品は非常に関心が高く、質問が殺到していました。こちらの早い時期の商品化にも期待したいところです。 IMG_6197その他、インターオプトに出展していた、ウシオ電機の多目的レーザーによる各種LED光源にも興味をひかれました。情報の発信源がわかるという意味では、可視光領域でのレーザー通信は可視光通信の部類に入ると思います。また、レーザーであることで通信スピードと通信容量に期待が持てます。こちらも今後の実用化が楽しみです。

みなとみらいクイーンズモールにおける可視光通信のバックホール実証実験

パシフィコ横浜を後にして、桜木町方面を目指しつつ、クイーンモールに移動し、可視光通信を無料Wi-Fiのバックホールで使用する実証実験について、確認してきました。 クイーンモールは、パシフィコ横浜からクイーンズスクエア横浜を経由し横浜ランドマークタワーへと抜ける、まさに中央部にあたります。中央広場には、大きな渦を巻いたモニュメントとインフォメーションがありますが、ここを始めとして館内の数か所に、Wi-Fiを実現するためのバックホール部分に可視光通信ユニットがさりげなく設置されていました。 IMG_6202 IMG_6203 IMG_6204 IMG_6205 IMG_6207 アクセスポイントは「LM_MM21_TEST」。屋内外の環境の差や、太陽や他の発光の影響を受けることなく、安定したサービスが展開できるかどうかの検証です。また、可視光LEDならではの特性である「指向性」と、レーザーより受信精度が厳しくないという特性から、それぞれの装置に情報をリレーしていく方式で、屋内外に設置する無線LANアクセスポイント間の通信を、有線ケーブルではなく「可視光」でカバーできる実証実験でもあります。我々も、実際にクイーンズスクエアに入ってランドタワーに入るまで、非常に良好なWi-Fi環境を無料で享受することができました。 通常、一般的な公衆無線LANサービスにおけるアクセスポイント間の通信は、有線ケーブルを引くか無線を使うことになります。しかし、有線ケーブルだと配線工事などに関するコストがかさみます。また、無線は狭い帯域で一般のモバイル利用者と共用するため、通信速度が極端に遅くなることがあります。 この方法は、電波帯域や設備コストの悩ましい問題を、可視光通信技術が解決する可能性を示唆しています。今後、2020年に向けて多くの海外旅行者を迎えるためのインフラを整える必要がある日本にとって、特に通信インフラにおける可視光通信技術の有効活用が期待できることを確認した瞬間でした。

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