ウェアラブルの法律的課題~第1回ウェアラブルEXPOトピック~

公開日:  最終更新日:2016/04/29

ウェアラブルデバイスを取り巻く法律問題の主体は、プライバシーの問題です。では、プライバシーとはなんでしょうか? そしてウェアラブルデバイスが成長するために必要なことは? IMG_2981

ウエアラブルデバイスにおける最大の法律的課題は、プライバシー問題

日本弁護士連合会の弁護士の大半は、GogleGlassなどのウェアラブルデバイスは、プライバシーの問題から違法の要素を含んでいるという考えのようです。「プライバシーの侵害」「プライバシーの問題といった言葉が身の回りで使われます。この場合のプライバシーは、私生活上の秘密や身体上の秘密などの情報に置き換えることができます。ところが、インターネットが普及しデータベースが発達すると、住所や性別、年齢や家族構成、学校や会社などあらゆる個人のデータ情報が、承諾の上でいろいろなところに蓄積されるようになりました。 そのデータ情報を守る法律が、2003年に成立した個人情報保護法です。しかし、この法律が成立してから12年が経過して、いろいろな不都合も散見されるようになりました。今や、インターネットでの買い物は当たり前。多くのサイトで頻繁に行われるようになりました。クラウドサービスでの情報データ共有が可能となり、さらにそれがビックデータ化することで当時では考えられなかった問題が起き、さまざまな不備が指摘されるようになったのです。 個人情報保護法は、現在、第三者機関の創設などの改正作業が進められ、順調にいけば2015年中には改正の予定です。ちなみに、この個人情報保護法は個人には適用されませんが、個人が個人情報保護法に違反した場合は、民法上損害賠償義務が課せられます。 総務省がまとめた情報通信白書によると、ウェアラブルデバイスの普及により追跡される不安感を持つ日本人は、約60%を占めているとのこと。これは、アメリカの47%を上回っています。それだけ、日本人はプライバシー問題に敏感であるということでしょう。 IMG_2979  

ウェアラブルデバイスを装着していない人のプライバシー

同白書によれば、ウェアラブルデバイスを装着していない人の約60%は、カメラ付きのウェアラブルグラスのような物を装着している人に対して不安感を持つのだそうです。 無断での撮影行為に対しては、現在、迷惑防止条例違反が適用されます。ウェアラブルデバイスが世の中に普及するには、メーカー主導でマナーを守って使用するよう啓蒙活動が必須です。 ところで、無断での撮影行為といえば、街灯などに付いている監視カメラについてはどうでしょうか? もちろん、これが防犯や犯罪の早期解決に役立つことは、周知の事実です。そして、個人情報保護法やプライバシーの侵害を理由に、裁判を起こす人もいないでしょう。そうした観点をヒントに、ウェアラブルデバイスのキラーアプリを開発していくことが、ウェアラブルデバイスのもう一つの鍵となるはずです。装着していない人にも安心してもらえるウェアラブルデバイスが、市民権を得るためには必要なのです。 IMG_2964

ウェアラブルデバイスを装着している人のプライバシー

いろいろなセンサーが付いているウェアラブルデバイスを装着している人は、センサーで得たデータ情報を、無線通信など使ってPCやクラウドサーバーに送ってデータ処理します。基本的には、個人情報保護法に基づき、本人が承諾をしているので問題ありません。しかし、クラウドサーバー上に送られたデータ情報を、本人に戻すだけでなく第三者に渡してデータ処理を行うとなると、法律上問題が出てきます。 たとえば、新しく購入した体重計。機器単体でメモリーを持ち、内部で管理されずにWi-fiなどを使って、知らない間にクラウドサーバーに接続されて管理されているとしたらどうでしょうか? 極めてプライベートな日々の個人データに、第三者が関わることになりますから、それなりに大きな問題となるでしょう。 また、クラウドサーバー上のデータ情報を、承諾なしにそのままの状態で第三者に譲渡することは違法ですが、ある程度匿名化して変換すればで譲渡は可能といわれています。今回の個人情報保護法の改正では、匿名化しての個人情報の流通は可能にしたいと考えているようです。また、個人情報保護法に対する本人の承諾に対しても、承諾の取り方に問題があれば違法となりかねません。現に、最近のスマホアプリの個人情報保護法に関する承諾行為は、読みもしない長文の承諾文に同意させたり、ポイントと引き換えに同意させたりするケースが多く見受けられます。 ウェアラブルデバイスも同様なケースが増えてくるでしょう。しかし、同意自体は法律的に有効ですが、同意を取れば何をしても良いということではないのです。こうした法律的課題の解決は、ウェアラブルデバイスだけではなくモノのインターネットIoTが安心して成長する鍵となるはずです。こうした背景の中、誰もが安心してIoTを使えるように環境とともに、可視光通信が貢献できること、キラーアプリの出現を期待したいものです。

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