光の中に人には見えないように情報を…富士通研のアプローチに見る可視光通信技術  株式会社富士通研究所 インタビュー【Vol.2】

公開日:  最終更新日:2016/04/29

LED照明などからモノへ照射する光にID情報を埋め込み、その光に照らされたモノからID情報を復元する・・・そんな可視光での情報送信技術を発表した、株式会社富士通研究所。前回は、人の目に見えないように情報を「映像」に埋め込む技術の応用研究から、「光」での情報通信を開発された経緯について伺いました。将来にわたって互換性が保たれ、適用範囲が広い技術であることが、富士通方式の特性です。今回は、この技術をどのように活かしていくか、利用用途についてのお話です。 (3回シリーズ) IMG_1803

ユーザは可視光通信を意識しない

我々の可視光通信は、自分が欲しい情報にスマホを向けて、自分の意思で受け取るという「プル型」の情報提供ができます。一方、最近はビーコンなどを使って、あるエリアに入ると特定の情報が降ってくる「プッシュ型」タイプの情報提供も、ずいぶん行われるようになりました。 プッシュ型で気をつけなければならないのは、エリアに入ったら自分が欲しくもない情報がどんどん入ってくることによる弊害でしょう。「鬱陶しいからこのアプリは消しちゃえ」ということになったら本末転倒です。 そもそも、単体で情報取得アプリを入れること自体、ハードルが高いもの。便利な技術もその第一関門を突破しなければなりません。ユーザからすれば、「情報が便利に取得できる」アプリやプラットフォームの中に、その一つとして可視光通信用のアプリが入っている、というのが望ましいですね。 ユーザにとってみれば、手段は可視光通信でも電波でも何でもいいんです。その時に欲しい情報がストレスなく手に入ればよいので、裏にある技術が可視光であろうがビーコンであろうが、ユーザには関係ないんですね。プル型、プッシュ型、それぞれBestなシーンで使い分けられる技術が総合的に集まったアプリがあって、そこに可視光通信技術も一機能として入っている。あるいは、有名なSNSアプリ、人気のカメラアプリの一機能として入っている、こういうパターンなら、アプリをダウンロードしてもらう際のハードルが低くなりそうだなと思います。 IMG_1819

競合ではなく補完する関係性で住み分けを

今は多くの人がスマホを持っています。スマホ内のカメラで情報を受け取れるだけの、受信側のハードウエア的条件は整っていて、可視光通信が普及する準備はある程度できてきています。 その中で、電波ではなく可視光を使った方が嬉しい、というケースに適用していく必要があると思います。電波で出来るところで競合するべきではありません。領域がかぶる部分もある程度は出てくるかもしれませんが、プル型かプッシュ型かというくくりもありますし、違う軸での区分もあるでしょう。そのエリアに行けば、調べるアクションをわざわざ起こさなくても自動的に情報提供されるのが便利なケースならビーコン等が適していますし、本当に自分の欲しい情報だけを自分の意思で受け取れる方がよいケースでは、間違いなく可視光が適しています。 最近ではO2Oやオムニチャネルなどのマーケティング手法の中で、ジオフェンシングと呼ばれる、位置情報をどう使っていくかということを研究する流れがあります。エリア内でGPSの電波が届かない屋内でも可視光通信なら位置が判りますので、この点にも注目したいですね。 可視光の指向性(範囲)はコントロールしやすいという特性があります。また、輝度を上げればかなり遠くからでも情報が欲しければとれるし、情報がいらなければカメラを向けなければ近くにいても情報を拾わなくてもすむ。そんなふうに、自分の意思に基づいて、ユーザがコントロール権を持つ使い方に向いていると思います。 エリアや距離をコントロールしやすいですから、それが活きる領域で、電波や接触型でなく使える通信手段として見てもらえたらよいですね。ケースバイケース、適材適所で、一番適した技術を使う、競合ではなく補完し合う技術として、可視光通信を位置付けて考える・・・。やれることがそもそも違いますよね、というアプローチで、技術も住み分けていくことが大事だと思っています。  (田中氏 談)     IMG_1809最終回は、2020年オリンピックも含めて、将来の展望について伺います。  

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