公開日: 最終更新日:2018/10/15

株式会社ブリリアントサービス 代表取締役 杉本礼彦氏インタビュー【Vol.3】

 ~ウェアラブル時代と可視光通信~

 携帯電話の黎明期からモバイル開発に携わり、常に次世代を見据えた研究、開発を続けられている、株式会社ブリリアントサービス杉本礼彦氏。第1回は可視光通信の活躍シーン、第2回は開発サイドの目から見た可視光通信についてお話いただきました。インタビューシリーズ最終回は、モバイルの新たなトレンドとして注目されるウエアラブルコンピューターと可視光通信の将来について伺いました。(3回シリーズ) images

 可視光通信とファッション

ウエアラブルは、ファッションの要素を強く意識しています。また、可視光通信とファッションの関係性も多いにありだと、僕は思います。 ウエアラブルコンピューティングの世界では、LEDの電飾服が今かなり流行り始めています。EXILEやももいろクローバーZなどの衣装としても、目にされている方がいらっしゃるのではないでしょうか。服の中に光る電飾があって、そこから情報を発信するっていうのは間違いなくあるでしょうね。 ファッションショーレベルなら、ステージのモデルにカメラを向けることで、同じ服なんだけれども、電飾の光り方によって送りだすメッセージを変えられる、というのが、可視光通信では可能になります。

 ウェアラブルコンピュータの時代には・・・

今後数年のうちには、おそらくウエアラブルコンピューターが普及して、可視光通信の受光側として十分機能する環境になると思います。照明はすでに使われているわけですから、それを通信のインフラにして、ウエアラブルが端末として機能することは十分考えられそうです。 ウエアラブルの課題としては、バッテリーとディスプレイがあります。バッテリーはなんとかなるだろうと思いますが、一番の肝はディスプレイ、それも液晶ではなく光学、プリズムの方です。 時計など、他に身に付ける製品も出てくると思いますが、一番発展しそうなのはやはりアイウエアです。難しいのはディスプレイとなるレンズの部分のプリズムを、いかに薄く軽く広い視野角で透明度を上げるかということ。非常にチャレンジングな課題が存在しています。光の特許を持っているところとの研究開発ができるか否かは、これから非常に重要になってくるはずです。 優先度としては、軽くて薄くて視野角が広くてっていうのが一番、その次はコントラスト、画素数はその次くらいなんです。でも、画素数のことが一番話題になりやすいんですね。 それよりも、昼間でも炎天下でもくっきり見える、薄くて、かっこよくて、かわいい、これがファッション性としても実用性としても必要なウエアラブルの条件といえるでしょう。 それを見越して、可視光通信のアプリ開発などが進めば、2020年のオリンピックイヤーには、非常におもしろい世界が展開されているのではないでしょうか。 Unknown-1  IoTやウエアラブルなど、業界最先端で、時代を読み取る感性の高い杉本社長から伺う可視光通信の可能性のお話には、大変ワクワクさせられました。東京オリンピックが行われる2020年には、どのような生活スタイルとなっているのか、またそこに可視光通信がどのような役割を果たしているのか、ますます将来が楽しみです。これからもカシケンへのご協力をよろしくお願いいたします。このたびは貴重なお話をありがとうございました。

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